SCの新しい価値創造に向け、
自分発信で変えていく未来。
小田原 健祐
KENSUKE ODAWARA
2003年 中途入社
サステナビリティ推進グループ グループ長
総支配人時代と、現在の業務におけるミッション。
総支配人のミッションは大きく分けて三つあります。一つ目は、現場の運営管理責任者としての役割です。SCは、現場をまとめるマネジメントオフィスのスタッフ、テナントスタッフ、警備や設備など、多くのスタッフで運営しています。多くのスタッフと協力して、お客さまが施設を安全・安心に利用できるように環境を整えること、また働くスタッフのモチベーションを高めることが、総支配人としての大きな仕事です。二つ目は、当社のSCはそれぞれの立地に合わせてさまざまなコンセプトで展開していますが、それぞれが魅力あるSCブランドであり続けるために、SC全体をプロデュースする役割。三つ目は、SC運営事業として、その物件が生み出す利益の最大化を図ることです。数値計画に基づいて収入やコストを管理し、会社の収益に貢献していくことが大きな役割です。現在は、本社部門の企画部で、中長期的な視点で会社の成長に寄与する企画や、全社横断的な横串機能の強化を推進しています。喫緊の課題として、ショッピングセンターの将来像を検証していますが、その方向性を具現化し全社員へしっかり浸透させ、推進していくことをミッションとし、日々取り組んでいます。変化が激しい時代において、未来を描く難しさも感じていますが、だからこそ会社の成長にとって重要な役割を任されているというやりがいを感じています。
TMDのDNA “まちづくり”
「ショッピングセンター」運営会社といってもさまざまな事業者がありますが、当社、東急モールズデベロップメント(以下、TMD)は鉄道インフラをもった「東急」という “まちづくりの会社”が母体です。当社もその“まちづくり”という視点をDNAとして持っており、東急線沿線にある各施設が地域に根ざした運営をしっかり行っています。施設単体ではなくそのまち自体の価値が上がっていき、まちの価値が上がることで沿線全体の魅力アップにつながることになる。その広い視点で仕事ができるところが、TMDの魅力のひとつであると感じます。実際、当グループには「日本一住みたい沿線 東急沿線」というビジョンがあり、そのビジョン実現に向けて当社がリードしていく、まさにそれを体現できる仕事だと思います。
苦労の先にある達成感と自信。
今までの経験の中で印象的な仕事といえば、地方都市にある施設のリモデルプロジェクトにプロジェクトリーダーとして携わったことです。現場や関係各所と連携してプロジェクトを推進するという役割を担い、テナント交渉から工事関連、ビルオーナーとの調整など、すべての業務に携わりました。現場運営には多少の自信がありましたが、それまでの経験が通用しない壁にぶつかり、打ちのめされたことをよく覚えています。リニューアルコンセプトとしては、若者をターゲットとした施設から、幅広い世代に向けた高感度な施設へと転換することが大命題でした。新しいコンセプトの実現に向けて、誘致する店舗のグレードに制約があったり、地方都市への出店意欲が少ないケースもあったり、開業ギリギリまで出店交渉に明け暮れました。その一方で、退店していただく店舗へも納得いただくまで何度も足を運び交渉を重ねました。苦労もありましたが、何とかスケジュール通りに新しいSCとしてリニューアルオープンさせることができ、今までの苦労を忘れるくらいの達成感があった仕事の一つです。以降も、SCのリモデル案件をいくつか担当し、さまざまな手ごわいプロジェクトに携わってきましたが、大変な中でもその一つひとつをやり遂げてきたという積み重ねが、仕事をする上での自信につながり、今があると思っています。
諦めない気持ちが仕事を成功に導く。
仕事で大切にしているのは、「諦めない」「途中で投げ出さない」という気持ちです。「最後までやり遂げる」という気の持ち方はやはり大切なのかなと思いますし意識してきました。また、チームをまとめる上では、当たり前かもしれませんが「調和」は大切だと思っています。自分ひとりだけが旗を振っていてもダメで、一人ひとりに対してその仕事をやる意義を伝えたり、きちんとやってくれたことに対してはこちらも感謝の気持ちを忘れないようにしたりと、コミュニケーションをとることを大切にしています。自分の考えや思いを伝えつつ、チームメンバーの考えや現場の声などもきちんと聞くこと、そういったコミュニケーションをとりながら考えや想いを共有していくことで、一緒に仕事をするメンバー全員が同じ方向を目指すことができ、それぞれの仕事の成功につながるものと考えています。
新たな「つながり」でまちの未来を共につくる。
まず、前提として「このまちに住んでいてよかった、このまちに住みたい」と思える施設づくりは、TMDがお客さま、そして社会へ提供できる価値だと思っています。これまでの「ショッピングセンター」は、主に買い物の場であって、私たちは、お客さまとご出店者さまをつなぐことが大きな役割でした。これからは、買い物だけに限らず、働く人や子育てする人などを支える場、人々が交流する場として、より幅広いサービス・モノ・コトとお客さまをつなぐ存在になり、買い物以外の接点でもお客さまと深く長い関係を築いていきたいと考えています。そのことが「このまちが好き」という思いへつながり、まちのバリューアップにつながっていくものだと思っています。将来的には、私たちと「一緒に取り組みたい」という企業が増え、地域全体を「一緒に盛り上げたい」という人が増えていくと、いい循環が生まれると思います。そのようなことが、私の考えるSCの「NEXT」ですね。
「NEXT」の実現に向けて
私たちの事業はリアルな場を提供することではありますが、一方で当社のデジタル化という側面に課題を感じています。これからの時代はもちろん、すでに今世の中に求められる部分だと思いますので、そこは強化していきたいです。「NEXT」の実現に向け意識していることは、お客さまそれぞれが抱える課題を、もっと掘り下げていかなければということです。私自身もそうでしたが、これまでは「ターゲットの年代や趣味趣向」「立地」「フロアのコンセプト」といった条件で店舗企画などを検討していましたが、これからはそうではなく、お客さまが何を叶えたいと思っているのか、という本質的な部分にももっと目を向けていく必要があります。柔軟に発想していかなければ、変わろうにも変われないとも思っていて、私自身、「自分で変えていく」ことを意識し、日々の業務に向き合っています。課題を自分ごととして捉えて、誰かがやってくれるのを待つのではなく「自分が変えるんだ」という意識を持つことが大切ですし、そのような社員が増えれば、会社は今まで以上に成長できると感じています。
2020年8月時点